医師らがタブレット通訳 共済病院、外国人患者増加で対応

2017年03月01日  西日本新聞

 増加する外国人患者に対応しようと、佐世保共済病院(佐世保市島地町、井口東郎病院長)はタブレット端末を使った通訳サービスを取り入れた。米軍関係者の患者が増えたのが理由で、医師や看護師などの経験を持つ人が担当するため、患者も正確に病状を伝えることができる。病院は「医療知識を持った人が通訳をするサービスは全国でも珍しい」としている。
 病院によると、外国人の外来患者は毎年、増加傾向にあり、2014年の750人に対し、昨年は900人。病院では外国人患者に対して外国語ができる職員を呼び出したり、インターネットの翻訳機能を使ったりしていたが、患者の症状や医師の説明が的確に伝わっているかどうか不安があった。
 さらに外国人の増加で、特定職員の負担が大きくなり、看護師からも専任通訳を求める意見が出ていた。今後、クルーズ船の入港が増え観光客の患者も想定されることから、1月に新サービスを導入したという。
 システムは、外国人がタブレット端末で言語を選んで通訳センターに電話をつなぐと、オペレーターが患者と医師らの会話を通訳する仕組み。使える言語は英語と中国語、韓国語。1月は7件の使用例があったという。
 病院では診察だけでなく、「売店の場所が分からない」「コーヒーが飲みたい」などといった日常の会話にも通訳サービスを生かす考えで、情報システム課の相良利博課長は「言葉が通じないと、患者さんが我慢する場面が出てくる。ちょっとしたことでも気軽に話してもらい、満足度を上げたい」と話している。