看護学部に多言語コース 福岡女学院看護大が来春新設へ 増える外国人患者への対応力磨く

2017/02/23 西日本新聞朝刊

 福岡女学院看護大(福岡県古賀市)は、医療機関で外国人の患者とコミュニケーションを取り、適切に処置できる看護師を育成する「多言語医療支援コース」を来年4月に新設する方針を決めた。文化や宗教の違いにも対応できるよう高度な英語教育に取り組む。同大によると、日本の医療現場での外国人支援に主眼を置いたコースは全国的にも珍しいという。
 外国人の訪日客や在留者の増加に伴い、病院側が対応する機会が増える一方、「言葉の壁で診察時間は日本人の10倍ほどかかる」(同大)ともいわれる医療現場。外国人患者を不安にし、現場の負担も増す悪循環を軽減するには、日本の医療制度や薬の知識、語学力を持ち合わせた人材の育成が不可欠と判断した。
 新コースは看護学部看護学科内に設置し、定員は1学年10人以内になる見込み。通常の看護師教育課程に加え、英語に力を入れる福岡女学院大(福岡市)と連携した英語教育を計画する。ネーティブスピーカーの英語講師と看護学部の教員が共同で指導に当たり、「病歴問診」や「服薬」などさまざまな場面に応じて必要となる用語や表現、会話能力を身に付ける講義をする。また地域の外国人を模擬患者とした実践教育も想定している。将来的には中国語や韓国語の高度教育にも広げたいという。
 片野光男学長は「多文化を理解し、日本人と同じように支援できるコミュニケーション能力の高い人材を育成したい」と話している。