外国人専用福祉避難所に - 全国初の取り組み/奈良の猿沢イン

2017年2月23日 奈良新聞

 地震や台風など大災害が起きた際、奈良市池之町にある「県外国人観光客交流館(愛称・猿沢イン)」を、災害対策基本法に基づく外国人専用の「福祉避難所」として活用することが決まった。協議を進めてきた県と同市が基本合意し、市は平成29年度中に避難所登録をする方向。全国初の外国人専用福祉避難所となり、国も「外国人観光客が増加する中で有意義な取り組み。先行事例として全国に紹介したい」(内閣府被災者行政担当)と歓迎している。

 福祉避難所は、大災害時に一般の避難所では避難生活を送ることが難しい人たちを対象に設置される。県内では現在、29市町村の202カ所が指定されている。心身障害者や高齢者、乳幼児、妊産婦のほか、日本語の理解が十分でない外国人などが「災害時要援護者」として対象となる。