救急搬送で手話通訳を夜間も派遣…神奈川

(2010年5月31日 読売新聞)

年末年始も市「ニーズ高い」
 神奈川県横浜市は、聴覚障害者などが医療機関に救急搬送や通院した際、医師や看護師とコミュニケーションを取るための手話通訳者派遣で、今年度から夜間の救急搬送時の運用を始めた。

 また、年末年始も終日、派遣することにした。

 新たに派遣を実施するのは、土日、祝日を含む毎日午後5時から翌午前9時半までと、12月29日から1月3日の終日。聴覚障害者が救急車で医療機関に搬送される際、通報を受けた市消防局司令センターが、あらかじめ地域ごとに登録している手話通訳者に搬送先の医療機関を伝え、派遣する。

 聴覚障害者は通常、家族が不在だったり一人暮らしだったりする場合は、専用のファクス番号や電子メールアドレスに救急通報している。手話通訳者の派遣が必要な場合は、救急通報した際に、市が開設している聴覚障害者向けの情報提供施設「横浜ラポール」(港北区)にも連絡する。しかし、夜間や年末年始は同施設が閉まっているため、派遣を要請できなかった。

 市障害福祉課によると、2009年度の手話通訳者派遣件数は、日常の通院時と救急搬送時も合わせて約6000件に上る。同課は「ニーズも高く、夜間も稼働していれば利便性も向上し、安心感を与えることもできる」と説明する。

 4月から始まったばかりのため、今月28日までの夜間利用はゼロというが、同課では「今後周知が進めば、いざという時に役立ててもらえると思う」としている。

 市聴覚障害者協会の江崎功一常務理事は、「数年前からの要望が実った。耳が聞こえない人たちも安心できると思う」と喜んでいる。県内では川崎市なども夜間に手話通訳者を派遣している。

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夜間に派遣される手話通訳の方に対する報酬がどうなっているのか
気になるところではありますが、
聴覚障害者の方にとって非常に良いニュースです。
他の地域でも広がると良いのですが。