「先進医療+観光」岡山県が中国富裕層向けツアー

2010年9月3日 読売新聞

秋から4社実験

 岡山県は、中国からの観光客向けに、人間ドックなどの医療検診と県内外での観光をセットにしたツアーの開発を支援する「医療観光ツアー商品化モデル事業」を始めた。

 経済成長著しい中国の富裕層をターゲットにした新たなビジネスモデルを構築し、岡山の魅力を発信する狙い。今秋から11月末にかけて、県内の旅行会社4社に4泊5日~6泊7日の旅行を実験的に催してもらい、中国人に喜ばれる内容を探り、来年度以降、ツアーの定着を図っていく。

 事業は、県観光課が中国の旅行業者から提案を受けて2008年秋から検討。中国では、富裕層が増え健康への関心が高まる一方、十分な健康診断ができる医療機関の整備が追いついていない現状があるという。

 県によると、09年度に県内に宿泊した中国人旅行者は6730人で、04年度の4倍近くに増え、外国人旅行者全体の12%を占めた。岡山空港は北京、上海との直行便があり、今後も大幅増加が見込まれるという。

ツアーを行う旅行会社は、▽シモデンツーリスト(岡山市北区)▽アジア・コミュニケーションズ(同)▽トップツアー岡山支店(同)▽すぎやまクリエイト(岡山市東区)――の4社で、6~7月の公募で選ばれた。協力する病院は、岡村一心堂病院(同)など岡山、倉敷市の計5機関で、人間ドックや脳ドック、がん発見を狙うPET(陽電子放射断層撮影)検診などを行う。検診結果は中国に郵送する。

 ツアーには、岡山後楽園や倉敷美観地区など県内観光や、京都などの県外観光を楽しむオプションがつき、中には瀬戸内海のクルージングを盛り込むことを検討している会社もあるという。

 県は、各旅行会社に40万円を支払い、ツアー参加者や病院の感想を踏まえた報告書を来年2月末までに提出してもらう。評価が高かったツアーは、内容を分析した上で公表し、他の旅行会社の参考にしてもらうなどして定番化を図っていく。

 県観光課の桑村功士・総括副参事は「医療先進県であることをアピールするとともに、観光面でも魅力あふれる地域だと売り込んでいきたい。帰国後は、口コミで岡山の良さを広げてもらえれば」と話している。


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最近は専ら医療観光の話題ばかりが目につきます。
旅行会社、国、地方自治体ははりきっているのですが、
どの記事を見ても
医療機関の反応がどうもいまいちな感じがしています。