外国人も診療受けやすく 7言語で通訳など、シンクタンク提供

日本経済新聞 2014/10/17

 医療関連シンクタンクのジェイ・アイ・ジー・エイチ(JIGH、渋谷健司・代表理事)は、医療機関向けに外国人患者の対応に必要な診療時の通訳や予約受付の代行、診断書の翻訳サービスを提供する。通訳や受付代行で7言語、診断書の翻訳で12言語に対応する。2020年に訪日観光客2千万人を目指す中、日本語を話せない外国人が医療を受けやすくする。
 通訳と予約受付の対象言語は英語のほか、中国語、韓国語、ヒンディー語ベトナム語スペイン語ポルトガル語。指定の電話番号にかけると、医療関係の経験を持ち必要な言語が話せる通訳者の携帯電話に転送し、対応する。
 先行して始めた通訳サービスは15分2千円で、すでに60の医療機関で採用されているという。予約受付サービスは月内にも始め、料金は1件2千円から。ホットラインも設け、外国人患者が来院した際の様々な相談も受ける。
 診断書などの翻訳は通訳対象の7言語のほか、タイ語やフィリピン語、インドネシア語、ロシア語、ベンガル語を手掛ける。翻訳は単語1つ15円からで、平均的なもので1通6千~1万円。医療機関の職員向けに語学研修も手掛ける考えで、基本的な用語やジェスチャーなどを学べる90~120分コースを6万円で予定している。
 JIGHは東大医学部の渋谷教授が2012年設立した一般社団法人。医療関連事業を海外展開する際、現地の医療システムや関連法制度などの助言事業などを手掛け、国や自治体に医療政策の提言もしている。