マイクロソフトら、2020年までにAIで訪日客向けリアルタイム翻訳提供へ
2016年6月22日 マイナビニュース
この協働では、大幅な増加が見込まれる海外からの来訪者に向けて、観光情報をはじめ、滞在中に必要となる医療、災害など、さまざまな言語による情報をリアルタイムに提供する翻訳サービスを2020年に開催される東京五輪での実用化を目指す。
同協働の最初の取り組みとして、ビッグデータとしての対訳コーパスデータベースの構築および収集した対訳コーパスを活用して、高度な機械翻訳サービスを実現するとともに、実サービスへの活用を行い、多言語による高品質の情報発信、コミュニケーションの実現を図る。
具体的には、旅行代理店や観光協会から得た日本語の観光情報を多言語に自動翻訳できるようにしたり、観光客がTwitter上に母国語で質問を投げると情報を得られたりするようなリアルタイムでの翻訳の仕組みを想定しているという。
豊橋技術科学大学は、収集したビックデータから言語を分析、抽出、辞書化を行い、日本語と多言語訳がセットになった「対訳コーパスデータベース」を構築する。日本マイクロソフトは翻訳エンジンの改良、対訳データを活用した学習システムを開発、基盤には同社クラウドサービス「Microsoft Azure」を利用する。ブロードバンドタワーは、子会社であるエーアイスクエアで開発しているAIをベースに、豊橋技術科学大学や日本マイクロソフトが開発するサービスを組み合わせたソフトウェアを展開する。
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インバウンド向けメディアにおける翻訳機能の利用イメージ
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今回の連携の目的について、豊橋技術科学大学の原郁彦氏は、「3者のAI・機械学習・機械翻訳技術を持ち寄り、観光情報や滞在中に必要となる医療/災害情報などを多言語でリアルタイム翻訳にて提供するシステムの提供を目指すこと」と述べ、「3者がさまざまな業種や組織の協力を得ながら、ビッグデータの収集を行うことで、翻訳サービスの品質向上、新サービスの提供など社会インフラへの高度な展開を期待できる」とコメントした。
現状の課題として、機械翻訳は欧米においては実用レベルまで達しているが、文法や構造などの違いから日本語から多言語への機械翻訳は難しいと話す。これが、国内から海外に向けての情報発信の大きな障害になっているとして、従来のシステムから専門化することにより、機械翻訳を実用レベルにまで性能を上げるという。
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AIを活用したテキスト解析によるインバウンド促進へ
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