在日外国人患者の手助けを 神戸で医療通訳研修会

 日本語能力が十分でない在日外国人が医療を受けるときの手助けする医療通訳を広めようと、病院関係者向け研修会がこのほど、神戸市中央区の神戸市立医療センター中央市民病院で開かれた。
 医療通訳のコーディネート業務を担うNPO「多言語センターFACIL(ファシル)」が主催。英語医療通訳の小松真奈美さんらを講師に迎え、約25人が参加した。
 講義では、医師から「患者にどんな症状があるのかまとめて教えて。日本人の倍の時間がかかる」と依頼された場合を取り上げた。小松さんは「通訳がまとめて訳すことはできない」と説明。「倍の時間がかかる」といった発言は差別的だと受け取られる恐れがあり、使わないよう注意を促した。
 また「脊椎」と「脊髄」など聞き分けづらい単語のほか、同意書の取り方や電話通訳などさまざまなケースを話し合った。
 参加した同病院の看護師(30)は「近年、中国や東南アジアからの患者が増えている。文化の違いが大きいことを学べ、少しずつスキルアップしたい」と話した。