医療通訳:外国人に、横浜のNPOが派遣活動 「専門用語、分かりやすく」 /神奈川

2010年2月12日 毎日新聞

◇ボランティア、スペイン語など10言語170人
 「異国で病気になった時が一番心配」--そんな外国人の声に応える「医療通訳」派遣活動を、NPO法人「多言語社会リソースかながわ」(MICかながわ、横浜市神奈川区)が続けている。【網谷利一郎】

 発足は02年4月。増える外国人労働者らと交流するボランティアの間から「医療での言葉の問題で悩む人が多い」との指摘が出た。通訳の養成講座を開き、病院や支援団体とのネットワーク作りを始めた。

 通訳ボランティアは現在、スペイン語ポルトガル語ラオス語など10言語で約170人。日本語を母国語としない人が過半数で、女性患者が診察で衣服を脱ぐ場合もあり、女性通訳が大半だ。

 県内の外国籍住民は約17万6000人。在日18年のペルー人のアンヘル・バルガスさん(45)は「6年前、体調を崩して病院に行ったが、言葉が分からず、つらかった。腎不全と分かり移植を受けたが、不安がいっぱいの外国人には医療通訳は大切」と体験を話す。

 通訳派遣料は3時間3000円で病院側が原則負担し、患者負担は上限1000円。派遣は08年度に約50病院、3000件を超え増加傾向だ。

 通訳の中国人、王暁雁さんは「専門用語ばかり言う医師もおり、患者に分かりやすく説明するのが大変」と話す。

 松延恵事務局長は「専門語を理解する語学力、医師と患者とをつなぐ対人適応能力が求められる。課題も多いが、さらに多文化共生への支援を強化していきたい」と話している。

********
MICさんの記事を発見しました。
神奈川県は非常に外国の方が多く、
医療通訳派遣も他県より先駆けて行ってきています。