シンポジウム:外国人のみとりに理解を 昨秋西宮で開催、集録発行 /兵庫

毎日新聞 2010年4月18日 地方版

死生観の異なる外国人のみとりを考えるため昨秋、西宮市で開かれたシンポジウム「外国人患者の終末期ケアを理解するために」の集録が発行された。外国人看護では文化差への理解が不可欠で、終末期は特に宗教や人生観が重みを持つ。主催した医療通訳研究会(MEDINT、神戸市中央区)は「日本で最期を迎える外国人が増えているので、悩みを理解する手掛かりにしてほしい」と願っている。

 シンポには、国際看護の専門家やペルー出身の助産師、中国語の医療通訳らが参加。「南米ではホスピスが普及しておらず、家族を入れるのに抵抗がある」「中国系やラテン系患者の家族は大人数で最期をみとる」など各国での最期の迎え方を紹介し、医療スタッフが取りうる対応を検討した。MEDINTは、終末期ケアの教科書として使えるようほぼすべての議論を集録に収めた。一部500円(送料別)。終末期ケアに携わる県内医療機関には無料配布する。問い合わせは、MEDINTへFAX(078・230・3080)かメール(medint2005@yahoo.co.jp)で。