ネットのTV会議システム利用 香川大医学部、遠隔健康相談スタート

2010年12月8日 朝日新聞

香川大医学部は3日、タイ・チェンマイで暮らす日本人らに対し、インターネットのテレビ会議システムを利用した遠隔健康相談を始めた。外国暮らしで生じる意思疎通の不安や治療法の違いなどを解消するのが狙い。同部は国際交流の一環と位置づけ、相談業務を幅広く行っていきたいという。(石川和彦)

 この日午前11時(現地時間午前9時)、三木町池戸の医学部医療情報部では、パソコン画面に現地で暮らす60代男性が映し出され、同部長の横井英人・医学部教授(内科)が事前にメールで受信した相談内容を記した紙を見ながら男性の相談などを約20分間受けた。終了後、横井教授は「持病の生活習慣病や健診結果が悪かったことについて相談を受けた。様子を見たうえで定期的に健診を受けてくださいと助言しました」と話した。このほか、別の教授が出張先でパソコンを開き、3人から相談を受けたという。

 交流を始めたのは、「チェンマイロングステイライフの会」(CLL)で会員は約170人。退職後に移住した人たちで平均年齢は70歳ほどだという。

 遠隔健康相談は無料で、内科系を中心に教授3人が対応する。毎月第1、3金曜日に1人30分ずつ受け付ける。事前にメールで相談内容を送ってもらう。専門分野外の内容は事前に同僚の教授らから聞いて準備するという。

 香川大医学部は4年前からチェンマイ大医学部と学術交流しており、在チェンマイ総領事館に遠隔相談を提案。今春から通信テストなどを重ねてきた。この日に先立って先月下旬に行われた遠隔相談の実演で、CLLの田口幸秋さん(69)はモニターを通じて「一番の心配は健康問題です。通訳を入れた医師との会話では症状がきちんと伝わっているか不安。遠隔相談ができて安心です」と話した。

 医学部国際交流委員長の徳田雅明教授は「在チェンマイ総領事館と協議してCLLのほかにも遠隔相談を広げたい。ただ、助言はできても治療や検査は現地の医療機関で行われるので、チェンマイ大などとの連携も強めたい」と意欲を見せる。

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在留日本人に対する健康相談の記事です。
逆に在日外国人に対してのシステムも
あってもよいかもしれません。