観光医療で復興を

2011年11月20日 朝日新聞 栃木

医療を目玉に海外から観光客を呼び込むメディカルツーリズムを考える「国際観光医療学会」の第2回学術集会が19日、壬生町の独協医科大学で開かれ、約220人が参加した。
 同学会を昨年10月に立ち上げた会長の中元隆明・同大日光医療センター病院長は「震災後、観光は大きな打撃を受けた。この会が日本の復興の一つの礎になってほしい」とあいさつ。
 特別講演した溝畑宏観光庁長官は、東日本大震災後の観光振興の取り組みを紹介し、「医療は日本のすばらしいコンテンツで、観光という経済効果だけでなく国際貢献地域活性化にも波及効果がある」と期待を寄せた。
 中国の賽序波・中国天津中医薬大学客員教授が中国の医療や観光医療の現状について説明。日本の観光医療については「医療通訳士や専従のコーディネーターを置くなど受け入れ環境の整備が必要だ。日本のどこでどんな医療が受けられ、観光できるかまとめた観光医療マップを作り、攻める医療観光に取り組んでほしい」と提言した。
 また、今年1月に始まった「医療滞在ビザ」について、外務省外国人課の高橋政司・首席事務官が、一度ビザを取得すれば6カ月(延長も可)滞在することができ、最長3年の有効期間があることなどを説明。これまでの利用者は中国、ロシアが多いことが紹介された。参加者からは、国内各地で取り組んでいる観光医療について報告があった。