神戸市外大が医療通訳講座 学生対象、看護大と連携

2013年8月20日 神戸新聞

神戸市外国語大(同市西区)は9月25日から来年1月まで、神戸市看護大(同)と協力して、学生対象の講座「医療通訳・コーディネーター入門」を初めて開く。在日外国人の増加を受け、その医療を支える人材育成につなげたいという。兵庫県内では医療通訳派遣の制度化が進みつつあり、両大の取り組みに関心が集まりそうだ。

 県内では、神戸市長田区のNPO法人「多言語センターFACIL(ファシル)」が中心となって医療通訳派遣に取り組み、2011年度には同市関連の3病院が通訳報酬の一部を負担する仕組みを開始。一方で医療通訳の人材養成は、FACILや「医療通訳研究会」(同市中央区)が研修会などを開いているが、大学では十分には進んでいないという。

 講座は、両大がある神戸研究学園都市内などの大学・高専計6校の学生が共同で受講でき、週1回、定員15人程度。両大は医療通訳教育に関する共同研究を進めており、成果を生かすため講座を企画した。

 講師は両大の教員を含む計14人を予定。医療通訳研究会の村松紀子代表に加え、実際に医療通訳を活用する「りんくう総合医療センター」(大阪府泉佐野市)、医療通訳養成を進める大阪大や愛知県立大からも招く。患者、医療従事者それぞれの役割を想定した実践的な演習もある。

 言語は英語が中心の予定だが、希望によっては中国語やスペイン語にも対応。講座は試験的な実施で、受講の希望者数などを見て、来年度以降の対応を考える。

 自身も講師を務める市外国語大の船山仲他(ちゅうた)学長は「今後も在日外国人の支援として、医療通訳制度にどう貢献できるかを検討していきたい」と話す。