電話を使った医療通訳サービスが登場 一般社団法人JIGHが1月から提供開始

2014年1月30日 日経メディカル 

医療領域の政策シンクタンクである一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ(JIGH、代表理事は東大国際保健政策学教授の渋谷健司氏)は2014年1月から、医療機関向けに、電話を使った医療通訳サービスmedi-Phone(メディフォン)の提供を開始した。

 メディフォンは、あらかじめ利用登録をした医療機関が指定の電話番号に電話をかけると、希望する言語の通訳者につながり、その場で通訳が受けられるサービス。現在の対応言語は、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語スペイン語ヒンディー語で、今後はフィリピン語、ベトナム語にも対応する予定。医療機関の初期登録料は1万円で、サービス利用料は1診察(10~15分目安)につき2000円。これまで医療通訳サービスのなかった地域の医療機関や、専属の通訳者を配置するだけの余裕のない小規模医療機関での利用を見込む。初年度の目標登録医療機関数は330施設。

 在留外国人は約205万人で、この10年で約20%増加した。観光などの目的で来日する外国人も1036万人(2013年)と、初めて1000万人を突破した。日本を訪れる外国人の数は今後も増えることが予想され、医療機関が外国人患者を診療する機会も増える。外国人患者にとっては、言葉はもちろん、日本の医療制度や診療上の習慣などでも分からないことが少なくなく、医療通訳が求められている。

 厚生労働省も、2020年の東京オリンピック開催までに外国人患者の受け入れ環境を整備することにしており、今後、医療通訳が配置されたモデル拠点病院の整備に向けて、通訳育成カリキュラムや外国人向け説明資料の標準化などを図る。