異文化交流の一助に 「多言語情報ヒント集」

2016年4月8日 神奈川新聞

 外国人定住者の増加を受けて、伝わりやすい多言語情報のこつをまとめたヒント集を、横浜市国際交流協会が市などと協働で作成、無料配布している。日本人向けの資料を多言語で翻訳するだけではなく、文化や習慣の違いも踏まえて説明を添えたり、重要な情報に絞って簡潔に伝えたりと、実用的なアドバイスが満載だ。

 市内の外国人住民は約8万2千人で、市の全人口の約2・1%を占める。生活情報などを多言語で作成する必要性が高まっていることから、市内の国際交流ラウンジ有志やかながわ国際交流財団、外国人住民らの協力も得て、冊子を作成した。

 外国人住民の声からは意外なヒントが見えてくる。

 例えば「母子健康手帳」の英訳には「Mother Child Health Handbook」や「Maternity Passbook」など複数あり、役所などの窓口で伝わりにくいという。ヒント集では「母子手帳という単語を覚えた方が伝わりやすいケースもある」などとして、母語に翻訳するだけでなく、キーワードは日本語でも併記するようアドバイスしている。

 中国人向けに駅名や施設名を全て漢字で表現するケースについても、日本人に伝わりにくいとして、日本語を残して読み仮名を振る方法などを紹介している。

 情報提供の手段としては紙媒体のほか、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や動画なども提案している。

 同協会では「ヒント集を参考に、当事者目線で情報提供してほしい」と話している。

 冊子はA4判カラー30ページ、3千部。パシフィコ横浜横浜市西区)5階の同協会事務所で配布するほか、送料(1冊240円)のみでの郵送も可能。問い合わせは同協会電話045(222)1173。