ネット使い医療通訳、福岡市が試験提供

2016年11月16日読売新聞西部本社

 福岡市は、市内の観光案内所やホテルで、インターネットを利用した医療通訳サービスの試験提供を始めた。訪日外国人の受け入れ環境向上が狙い。各施設での利用状況などを踏まえ、本格導入を検討する。
 外国人観光客の増加に伴い、福岡市内の宿泊・商業施設などは、体調不良などを訴える外国人への対応が必要となる機会が増えている。同市・天神の市観光案内所では、遠隔通訳サービスを利用していたが、医療用語や体の微妙な症状を正確にやり取りするのは難しく、適切な対応ができないケースがあったという。
 新たなサービスを手がけるのは、訪日外国人向けの医療通訳を専門に行う大阪市ベンチャー企業「日本医療通訳サービス」。同社が提供するタブレット端末を介して、遠隔地にいる医療通訳士が、訪日外国人と日本人スタッフの言葉を訳し、それぞれに伝える。日本人スタッフは相手の求めを正確に把握し、最適な対処法を考えることができる。
 医療通訳は、英語、中国語、韓国語に対応。25日までの試験期間中、端末がある市観光案内所、市内14のホテル・旅館で24時間利用できる。一部施設では12月29日まで(平日の午前9時~午後5時)、サービスを続ける。